金曜日の夜に電話があり、
「土曜日にロックバー『ソフトマシーン』でセッションをするから、
ZEPの“ROCK AND ROLL”を歌わない?」
‥といった話になった。
土曜日はMAZEのミーティングがあったのだが、セッションは良い経験になると思い、そっちを優先させてもらった。

この判断が間違っていたことをオレは後に知る。

この日のソフトマシーンはどこかのバンドが半分貸しきっている状態だったようで、
22時前までその演奏が続いていた。
(この時点でオレの怒りは爆発していた)
それはそれなりに面白いジャンルだったが、ハッキリ言ってオレの歌の方がマシだと思っていた(自信過剰で言ってんじゃないよ)。
その割にCDリリースとか云々言っていたようで、
プロ志向かよ!?頑張らなあかんで君ら、と密かに彼らの今後を祈っておいた。

彼らのライブ後、客はそれほど帰ることもなく、
その中でオレらのセッションが始まることになった。
マスターが「ウチのハコバンです」と言ってくれていたのは良かったが、不安の種はすでにあった。
なんとベースとギターが初対面だったのだ。
どうやらベーシストのメン募で知り合ったギタリストらしいのだが、そーゆーセッションはスタジオでするべきで、本当に本当に不安しかない状況がそこにはあった。

もっともオレは1曲だけだし、歌って後は酒でも飲んでおこう、
事前に“ロックンロール”って言ってるし大丈夫だろう…と考えていた。
それが甘すぎた推測だった

曲を始める30秒前にベーシストがギタリストに‥ギタリストに‥
コード進行を教えているではないか!!
…いくらなんでもそりゃ無理やで、おっさん!!
(ギタリストは20代だったが:笑)
ZEPの曲を初見で合わせられるわけないだろ!?
しかもブルースナンバーならともかく、展開すらわからんで出来るわけない…

オレはもう目の前が真っ暗になった。
ここがバーで良かったと心底思った(笑)
‥曲が始まった。

“ロックンロール”はイントロの入りが少しややこしい。
勿論、まったく合わなかった。
それでも1コーラス目のBメロまではギリギリ助かっていた。
しかし、サビ〜間奏でもうムチャクチャだった。

間奏でカウンターに置いていたロックグラスを持ち出し、少し飲んだ。
オレはなぜここにいるんだろう…と真剣に思った。

2コーラス目は周りを一切聞かずに歌うことにした。
そうしないと歌えないからだ。

2コーラス目が終わった後の間奏で、もうどうしようもなく耐えられなくなったので、オレはカウンターに逃げ帰った(笑)
…というか、流れ的にセッションタイムになっていた。
展開を知らなければ曲が終われないのだから当然の流れだが、
もうこれは“ロックンロール”ではなかった。
客がいる前でやるような音楽ではない。
オレは心底ブチ切れていた。

ギターの人は歴が4年くらいで、メタルをやってきたらしくブルース・セッションは初だったらしい。
CとDだけの展開にもかかわらず、ダメダメだったのは仕方ない‥のか??
まぁ、どうでもいいや(笑)

セッションが終わった後に、
「適当に入って歌ったらいいのに」みたいなことをオレに言うのは、火に油
もう二度とあんなセッションでは歌わないと心に決めた一夜だった。
ホント、マスターに申し訳ないよ。

終電で帰れないこともなかったが、オレは難波に向かい夜の心斎橋を徘徊することにした。
なんか全てがどーでもよくなってきた。

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